経営管理ビザとは?取得の際の要件を解説

文責:弁護士 森田清則

最終更新日:2025年01月21日

1 経営管理ビザとは

⑴ 経営管理ビザの定義

 「経営管理」の在留資格は、本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)を行う場合に必要とされる在留資格です。

⑵ 経営管理ビザの対象となる活動

 「経営管理」の在留資格は、具体的には、日本国内において企業を経営したり、比較的大きな企業の役員や部長クラスなどの管理職に就任したりする場合に求められる在留資格です。

2 経営管理ビザ取得のために必要な要件

 本資格の取得のためには、経営者として取得する場合と管理者として取得する場合とで必要な要件が異なる部分があるため、以下、主な要件について説明します。

⑴ 経営者として取得する場合

 ア 日本国内に事業所が存在すること

 経営する企業の事業所が日本国内に存在すること(事業が開始されていない場合は、事業を営むための事業所として使用する施設が日本国内に確保されていること)が要件となります。

 本要件の解釈として、継続的に事業に専用する物理的に独立したスペースが求められており、物理的に独立していないバーチャルオフィスや1つの部屋を複数の事業者で共有するシェアオフィスのような形態は、原則として認められない傾向にあります。

 自宅兼事業所のような場合、居住部分と事業所部分とが別になっており、居住部分では生活、事業所部分では専ら事業関連のことしか行われないなどという独立性、専用性が認められれば、本要件を満たす可能性があります。

 もっとも、居住部分と事業所部分とがそれぞれ独立し、形式的に両者が兼ねられていないとしても、居住部分を通らなければ事業所部分に行くことができないというような事情がある場合に事業所要件を満たさないと判断されてしまったケースもあるため、居住物件とは別に事業所物件を確保する方が無難であることは間違いないでしょう。

  イ 資本金又は出資の総額が500万円以上であること

 かつて存在した資本金要件は撤廃され、必ずしも資本金の額に定めがあるわけではありません。

 しかしながら、「経営管理」の在留資格の審査では、日本国内において安定的に継続することができる事業であるかどうかという点が重視されますので、一定程度以上の資本力があることが要件とされています。

 そして、この資本金、出資金には、見せ金ではないことの確認のために各種の資料の提出が求められます。

  ウ 2人以上の常勤職員がいること

 上記イの要件に代えて本要件を満たす場合に、「経営管理」の在留資格の取得が認められることがありますが、事業の安定性・継続性を重視するという観点から、2人以上の常勤職員を安定的継続的に雇用することができるだけの資本力があるか否かという点が審査のポイントとなります。

 ⑵ 管理者として取得する場合

  ア 事業の経営又は管理についての3年以上の経験があること

 管理者として「経営管理」の在留資格を取得しようとする場合、上記⑴の要件に加えて、事業の経営又は管理について3年以上の経験(大学院における経営・管理の専攻の期間を含む。)を有していることが要件となります。

 本資格での管理職は、比較的大きな企業の役員や部長クラスの管理職が想定されているため、一定程度経営や管理に詳しいことが求められています。

 大学院における経営・管理の専攻の期間を含むことも認められていますが、一方で、大学や専修学校での専攻の期間は含まれないことには注意が必要です。

  イ 日本人が従事する場合と同額以上の報酬を受けること

 日本人が同業務に従事する場合に受ける平均的な報酬以上の報酬を受けることが必要になりますし、同じ職場で同様の業務に従事する日本人がいる場合には、彼らと同額以上の報酬であることが要求されます。

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